千のうちの一つの太陽

一時期太陽や星を描いていた。かつての恩師と二人展をする前、今まで描いたことのない大きなキャンバスに描くのに日々悩んでいた。近所を散歩していると今まで気づかなかった本屋が目に入った。中に入った。 

 すると、ある一冊の文庫本に出会った。オノ・ヨーコさんのグレープフルーツジュース

詩を書かれることは知らなかった。  (恥ずかしいですがこの時初めて知りました。)

10年以上が過ぎ、実家に戻った。段ボールから本を本棚に移していると、グレープフルーツ・ジュースというタイトルに目が留まった。オノ・ヨーコさんの命令形の想像をかきたてるような言葉に驚かされた衝撃を思い出した。

想像しなさい。千の太陽がいっぺんに空にあるところを。

一時間かがやかせなさい。

(講談社文庫 グレープフルーツ・ジュース オノ・ヨーコ/南風 椎 訳 1998年 p.18)

下の絵のタイトルは千のうちの一つの太陽。F10号です。 "One of Thousand Suns", Acrylic and pastel on canvas, 18"x21".  千の太陽は私には重すぎて描けないので一つ描いてみた。でもいつか千の太陽を描いてみたい。